起業をしようと思ったら”税金”とはどういうものだろうか?という疑問がわくことでしょう。儲からなくても払わないといけないものってあるのでしょうか?
開業する前に最低限、これだけは知っておこう!!
会社を経営すると法人税を支払わなくてはなりません。なんとなく、ぼんやりそういうものがあることは分かっているでしょう。でも、実際は儲からなかったらまだ払わなくってもいいんでしょう?なぁんて安易に考えている方も多いかと思いますので最低限知っておくべきことをまとめてみました。
そもそも”法人”ってどういうこと?
法人とは、自然人以外で、法律によって「人」とされているものをいう。「人」とは、法律的には、権利義務の主体たる資格(権利能力)を認められた存在をいう。つまり法人は、自然人以外で、権利能力を認められた存在ということになる。
日本においては、法人は、一般社団・財団法人法や会社法などの法律の規定によらなければ成立しない。とあります。
また、”法人税”はこの法人が得た利益(所得)に課せられる税金です。
会社が儲ければ、法人税(国税)、事業税(都道府県税)、都道府県民税、市町村民税が課税されます。
利益について
私たち個人が通常考えるのは、利益が出たら税金が掛かってくるのだろうということです。では、法人での利益とはどういうものでしょう。利益は「収益-費用」として計算されます。
会計上の利益の求め方は、『 利益 = 収益 - 費用 』で求められます。
税法上の所得の求め方は、『 所得 = 益金 - 損金 』で求められます。
利益と所得、収益と益金、費用と損金は、何が違うのかというと、はっきり言ってほとんど同じです。
ただ、法律(会社法と税法)の考え方の違いにより、会社法上では、費用になるのに、税法上では費用(損金)として認められないと言ったことがあったり、費用(損金)となる限度額が決められていたり、と一部ズレが生じますので、そのズレを上記法人税の計算手順の2で調整するわけです。
つまり、利益=所得ではありません。
利益と所得の違い
法人税は利益に課税されますが、厳密には利益に調整を加えた所得に課税されます。例えば、利益の計算では費用になる「寄附金」や「交際費」は、税務申告においては費用から一定額を除かなければなりません。「法人税が課税される所得=利益+接待交際費や寄附金」となるのです。
法人税率について
法人税は、税法に従って求められた所得に税率をかけて算出されます。
また、法人税とは別に法人事業税と法人住民税も所得に対して課税されます。
大まかに各税率について紹介します(実際は細かく規定があります)。
法人税は、『 所得 × 30% 』です。
法人事業税は、『 所得 × 9.6% 』です。
法人住民税は、『 法人税 × 17.3% 』です。
3つ(法人税、法人事業税、法人住民税)を合計すると、『30+9.6+(30×0.173)=44.79%』になります。
ただし、法人事業税は、損金算入が認められてるので、その分だけ所得が小さくなります。そのことまで考慮した税率を実効税率といいます。実効税率は、この法人事業税を考慮しますので、44.79%÷1.096となります。
よって、40.87%が法人税率となるのです。
つまり、企業の儲けの約40%は税金として納めることになると考えておきましょう。
法人税割と均等割とはなに?
法人税割は、法人税額(国税)を課税標準として課税されます。使用される法人税額と同じ事業年度に係る法人市民税の確定申告で計算します。法人税額×税率で求めます。他市町村にも事業所がある場合には、法人税額を従業者数で按分してから税率を乗じて求めます。
均等割は、その法人の規模により課税されます。
赤字の繰越し
法人税は事業年度ごとに課税されますが、過去の事業年度において生じた赤字がある場合には、その赤字を差し引いて課税される所得を計算することができます(欠損金の繰越控除)。また、赤字の事業年度の場合、その赤字を過去の事業年度の黒字から差し引いて、過去に納税した法人税の還付を受ける(税金も戻してもらう)ことができます(欠損金の繰戻しによる還付)。
なお、法人税の申告は納税額がゼロでも必要です。
また、どんなに利益が出ていなくても資本金に応じて法人均等割は支払わなくてはなりません。