NHK朝の連続ドラマ小説”まれ”をご覧になられたことはありますか?パティシエとして店を構える夢を主人公の”まれ”(名前)が叶えていく物語です。
ここで注目していただきたいのが、”まれ”が開業するためのお金を貯めていなかったという点です。いいえ、正確に言うと夫婦揃っての貯金が100万円ほどしかなかったということです。ここからどんな風に展開していったでしょうか?
借入金を最小に抑えるためには
開業資金が全くなかった”まれ”は、借金をしてまで開業することを強く拒みました。しかし、夫らの応援や助言によって夢を叶えるためには借入金をして開業することが必要であると理解し始めます。最小限の借り入れをしてチャレンジすることも大切なことだと学ぶわけです。大きな決断をして借入金の申し立てをするわけですが、なかなか融資はおりません。これは、現状も同じかもしれませんね。
当初600万円の借入れを申し出るのですが、色んなものを削って削って350万円の借入金となりました。
厨房機器は中古品で
カンブリア宮殿という番組をご覧になったことはありますか?そこに飲食店の開業を志す人たちにとって欠かせない店が紹介されました。それが厨房機器販売のテンポスバスターズです。中古はもちろん、新品まで、開業に必要なものなら何でも揃う店で驚くのは、その価格にです。テンポスを利用すれば、通常400~500万円かかると言われる開業費用が、およそ半額で済むというものです。しかも、ただ単に厨房機器を買うだけでなく、開業の支援サービスまで受けられるのです。
飲食店は、4割が1年以内に閉店してしまうというほど厳しい事業ではありますが、どうしても”まれ”のように夢を叶えていきたい人が多いのも現状です。テンポスバスターズの社長のようにたくさんの飲食店オーナーと関わっておられる方の支援サービスであれば、失敗の可能性もいち早く気づけるかもしれませんね。
店舗は居抜きで
”まれ”での開業をしようと思った大きな理由の1つに小さい頃からのたまり場だった喫茶店(のような場所)のオーナーがそろそろ引退をしたい!ということがきっかけでした。そのため、”まれ”のお店はいわゆる「居抜き」物件ということになります。
居抜き物件とは、旧テナントの空調・電気・厨房設備などを流用することで低コストで開業できるメリットがある物件です。 また撤退する側にとっても、その店舗が賃貸物件であった場合、内装などを借りる前の状態に戻す原状回復のコストを節約できるというメリットがあります。
これに対して「スケルトン」物件とは、その名のとおり、骨組みだけのような簡素な状態です。なので、内装費用などが掛かってきます。したがって、創業時の費用が大きく変わってきます。
たとえば、席数15席、居抜き・改装なしの物件であれば、 400万~500万でのスタートが可能でしょう。一方、席数20席~30席、スケルトンタイプであれば、1500万~2000万 といったところでしょうか。
商品に工夫を
こうやって何とか開店した”まれ”のケーキショップですが、最初は友人知人たちで繁盛したものの2週間もすれば客足は途絶えていきます。そんなときこそ、工夫が必要になってきます。これは、”まれ”の店だけではなくどんな事業を展開してもこんな風になるのがオチです。ここをどうやって踏ん張って乗り越えていくかがビジネスを成功させるかどうかの分かれ道です。
結局”まれ”は、こだわったフランス菓子のコストを抑えて商品を安価にしていきます。また、目玉商品だけにはこだわりを残すというやり方です。そして、そこから少しずつファンをつけて口コミが広がっていくのです。
まとめ
”まれ”をご覧になっていない人にはたとえ話が少し分かりにくいところもありますが、結局は一番コストの掛かる不動産の居抜き物件という点と厨房設備をローコストに抑えていくということが一番です。
ここに借入れたお金を使ったしまうと万が一、お店が繁盛しなかったときに借入金を返済していく術がなくなってしまいます。
なるべく、借入金は回転資金に回せるように置いておくことが重要になってきます。